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【連載】三菱商事退社、人類未踏峰登頂。山登り x ビジネスをどうリンクする?(1/3)

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三菱商事を2年半で退社した萩原鼓十郎(はぎはらこじゅうろう)氏は、2017年にネパールにある人類未踏峰のヒマラヤ・ラジョダダ山の初登頂を成功させた。

これだけを聞くと、熱意にあふれる若き想いが社会を顧みずにひとつのことを成し遂げたキレイな成功ストーリーに思える。もちろん、それに間違いはない。

しかしながら、この美談の裏には、人類未踏法への初登頂という挑戦を会社に受け入れてもらえず、挑戦のために経済的な困難を覚悟の上で会社を辞めざるを得なかった現実があった。

山登りで培った能力を評価されて総合商社に入社したにもかかわらず、山登りへの挑戦は否定された―。どうすれば登山家がもっと本質的にビジネスのフィールドで能力を発揮することができるのか悩む萩原鼓十郎氏に、2回に渡って記事を執筆いただくことになった。

今回は、まず自己紹介と連載内容の紹介をしていただこう。

 

はじめまして

こんにちは。萩原鼓十郎と申します。

僕は2年半で会社を退職し、2017年にネパールの奥地になる前人未踏の登山に挑戦し、無事世界初登頂という憧れの瞬間を手に入れました。この記事のトップに入れていただいてる写真が、初登頂の瞬間です。

見ている人に感動を届けられるような世界的な挑戦ではなく、あくまで自己満足の世界でしかないと自覚していますが、この経験は少なくても僕の人生を変えてくれたと思います。

会社を辞めて登山に挑んだので帰国後、僕は「元商社マン」「世界初登頂の山を登った人」というアイデンティティを手に入れました。

今回、このメディアに3連載を書かせていただくことになりましたので、まずは僕の簡単な経歴をご紹介します。

 

ぼくの経歴

大学の山岳部時代の集合写真

東京都出身25歳。

小学校から高校までサッカーを、大学から山岳部に入りました。早稲田大学では山岳部は体育会に属しましたので一応体育会系出身ということにしています。

18歳の時、初めていったフランスモンブランの麓シャモニーで“クライマー”と触れ合い「かっこいいな」と思い、1年生の夏休みも終わる事頃山岳部の門を叩きました。

山岳部1年生の際の4年生の先輩が最高に面白くイケてる人でした。彼が就職先に選んだ総合商社を自分も歩むことにしました。

商社時代はコーポレートIT部門(いわゆる職能IT)に配属され入社初日から当時の先輩方から「俺はこの部署全く志望してねーw、早く営業いきてーなw」というお言葉を頂いたり、同期からも配属リスクいじりがあるような部署でした。

と聞くと、嫌だったかといわれると全くそんなことはなく、大変恵まれた環境だったと思います。

ただ、就活当時「海外で~、発展途上国で~、人を巻き込み~、ビジネスを~」と受け答えしていた僕は、結局何一つやらずに商社マン人生は2年半で幕を閉じました。冒頭でご紹介をいただいたとおり、人類未踏法の山へ登頂を果たすという目標を果たすためです。

 

なぜ会社を辞めたのか。この寄稿で考えたいこと

20代前半は、こうした落ち着きの無いキャリアを歩んできました。

そんな僕が、今回こうしてこのメディアで筆をとるに至りました。みなさんと一緒に考えたいことがあったからです。それは「山登りと仕事に相関関係はあるのか」ということです。

もうすこし抽象化しすると「スポーツと仕事に相関関係はあるのか」という問いについて考えていきたいです。

 

なぜかといいますと…ヒマラヤ登山から遡る事、約1年。

山岳部の後輩2人からヒマラヤ未踏峰の計画を聞かされました。2014年にネパール政府が104の山々への登頂を解禁しました。すべて未踏峰です。年々世界中のクライマーが初登頂に成功し、残りも少なくなってきた頃でした。

6246mのその山の地図と一枚の写真だけを頼りに後輩たちは初登頂の計画を作っており、うれしいことに誘ってくれました。直観的に「これは行くべき」とピンときた感覚を今も覚えています。

しかし、登山期間は40日。サラリーマンではなかなか休めません

「丸の内ライフは充実していました(笑)」

そんな中どうにか会社の制度の中で遠征に行けないか色んな方に相談に乗って頂きましたが最後は依願退職して登山に挑みました。

相談に乗ってもらう中で未だに自分の中にひっかかっている質問があります。

ふと誰かが口にした「山に登るとその経験が仕事にも還元されるってことを説明できるといいかもな」という言葉がなぜかビーーーンッと心に刺さりました。

山に登る事で、だれも見たことのない世界へ足を踏み入れる経験をすることで自分は必ず「成長」することはやる前から確信していました。しかし、いざ人に伝わるように説明することはできなかったのです。

つまり、僕の想いは「山登りを通じて身に着く力やそれが仕事にどう還元されるかを定義し、言語化したい」ということです。

もっと抽象化すると「スポーツを通じて身に着く力やそれが仕事にどう還元されるかを定義し、言語化したい」…それが僕の追求したいこととなります。

 

2回に渡って何を書くのか

ということで今回は簡単な自己紹介とこのメディアで発信したいことを宣言させて頂きました。とりあえず、今後2回は以下のテーマを寄稿予定です。

 

商社を辞めると決断した3の内省的理由

商社をやめてでも登山にいくべきかと内省したときの心理状況を紹介したいと思います。

 

商社の若手業務と山登りを抽象化して比較してみる

山岳部出身というアイデンティティをもった商社マンがみた世界についてです。

 

至らない執筆になるかとは思いますが、是非ご笑覧ください。

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