イベントレポート

【知的体育会サロン】第2回オフラインサロン「アスリートは打たれ強いのか?」

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2018年11月14日、㈱meme社のオーガナイズする「知的体育会サロン」の第2回オフラインサロンが新国立競技場付近にあるSalon de zuppaにて開催されました。

イベントの様子をレポートします。

 

知的体育会サロンとは

 

知的体育会サロンとは、㈱memeが主催する「スポーツを議論する」コミュニティです。

このサロンはスポーツ界の疑問や課題(特に経営や社会問題に近いテーマが多い)を議論することを目的としています。

Facebookを利用したグループ内でのオンラインディスカッションや2か月に1度のペースでオフラインサロンも開いて活動しています。

 

第一回オフラインサロンも少しご紹介!

 

過去のサロンも少しご紹介。第一回のテーマは、「人生と競技、本当の相関関係」について。

ゲストは株式会社電通デジタル 人事部長佐藤邦彦様や山口商店合同会社 代表CEOで東京大学ラクロス部GMも務める山口幹生様でした。

 

 

【11月14日】第2回オフラインサロンレポート

第2回オフラインサロンの様子:㈱meme代表・山浦光博(左)

2018年11月14日(水)20時~、新国立競技場を一望できる素敵な会場salon de zuppaにて第2回目が開催されました。

今回のオフラインサロンのテーマは「体育会出身者は果たして本当にメンタルが強いのか?大企業に勤める若手の適応障害から考える」というテーマでした。

このテーマにそってディスカッションをするために、2名のゲストをお招きしました。

 

今回のゲスト

A氏 体育会出身現役大手総合商社社員。

2017年初めに適応障害と診断される。2018年から悪化し始め休職。現在は同じ職場に復職済み。

 

鈴木 悠平氏 LITALICO発達ナビ・LITALICO仕事ナビ 編集長

2018年、適応障害と診断される。その際公開したnoteは500件近いシェアがされた。

他にも参加者には経営者、大手サラリーマン、現役アスリート、勤務先で障害者アスリ―トと関わってらっしゃる方など多様な15名が集まりました。参加費はお酒やピザ・軽食の実費代のみでした。

 

今回のテーマについて

改めて、今回のテーマは「世間ではメンタルが強いといわれるアスリートは本当にそうなのか」というものでした。

毎年、日本を代表する大企業へ体育会出身者が輩出されますが、精神的な負荷を感じていたり、鬱になったりする人が多いという事象への問題提起から企画されました。

ゲストA氏は体育会出身で採用担当からも「お前は根性枠だ」と言われたにも関わらず業務過多や上司とのミスコミュニケーションから適応障害を引き起こし休職せざるを得なくなった経験をお持ちです。

 

適応障害とは

そもそも適応障害とは、

 

ストレスに適応できないためにさまざまな心身症状が表れ、日常生活をうまく送れなくなってしまう疾患です。ある特定の状況や出来事が、その人にとってストレスとなり、耐えがたく感じられることで、気持ちや行動にいつもとは違う症状が現れます

(LITALICO発達ナビより)

 

適応障害という病気は人口の1%ともいわれ、5年以内に40%の人がうつ病へ移行するそうです(厚生労働省)。治療法は、ストレス環境から離れること。薬で和らげることもでき、だいたい半年で緩解に向かうといわれているそうです。

精神症状としては、以下の通りです。

精神症状には主に、憂うつ感や気分の落ち込みなどの抑うつ症状と不安症状があります。例えば、次のような症状が現れます。

・強い憂うつ感、涙もろさ、落ち込み、絶望感を感じ、思考力・集中力・判断力が低下する
・感情がコントロールできない時があり、泣き叫ぶことがある
・出来事や環境に対して神経質になり、漠然とした不安感を感じたり、心配になったりする など

(LITALICO発達ナビより)

ディスカッションから出た結論

A氏の事例やLITALICO発達ナビ編集長の鈴木さんとの議論から以下のような結論が出ました。

 

アスリートが必ずしもメンタルが強いというわけではない

・ストレスに適応できない環境では誰しもが適応障害になりうる

・アスリートは確かに競技経験の中で自分と向き合ったり、モチベーション維持の仕方を経験しているが、実はコーチ・マネジャー・チームなどサポートがあり、競技に集中できる環境があってこそなのでないか。

・特に幼少期からスポーツを始めている人は少しずつ負荷をかけてきた上で、大きいストレスに耐えるメンタルを維持している。

・人の能力が横展開できる範囲には限界があり、アスリートとしての成果がビジネスに直結するわけではなくギャップがあればストレスから適応障害になるのは極めて普通。

・もちろん内省力や試行錯誤の経験などを活かして、ビジネスの分野で活躍している人もいるが、一方で、アスリートや体育会の人がうつになるケースも多い。

・特に体育会文化では基本姿勢は「自分ががんばる」ことであり、組織や環境に適応できないのは自分のせいと自責の念を覚える傾向にある。

・そういう意味でも「体育会だから根性枠」というようなマネジメントではなく、人の個性が違うことを前提としたコラボレーションや人の能力を引き出すリーダーシップが求められるのではないか。

 

次回オフラインサロンについて

次回もスポーツと組織や経営を抽象化して議論していくサロンを開催予定ですので、是非ご参加ください。

オンラインサロンやオフラインサロンに興味あるという方は是非お問い合わせよりご連絡ください。

 

 

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